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業務中?休憩中?添乗員の宿泊ホテルでの過ごし方

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旅先の添乗員は、ホテルについてから一体どんな時間を過ごしているのか気になったことはありませんか?

 

ツアーが一区切りついて、お客様にはゆったりおくつろぎいただく時間。

けれど、そんな中でもトラブルが起こらないとも言えないのが添乗業務です。

 

では、そもそもホテルに着いてお客様と離れたら、それは業務中?

それとも休憩扱い?

どのくらい気を張っていなきゃいけないの?

 

こちらの記事では、元添乗員の筆者が、実際に過ごしていた宿泊先での時間をあれこれと振り返ります。

 

以下の情報は過去に筆者が体験したものの一例です。

現在の情報は各添乗員派遣会社の出している情報を確認のうえ、業務内容も各会社、または各ツアーごとに大きく異なる場合があることをご了承ください。

 

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ホテル到着後に添乗員がすること

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ここでは比較的余裕のある行程にそって、添乗員の行動をまとめてみました。

注)ツアーによってはもっと時間がおしたり、イベント後にホテル着となるものもあります。

 

17:00 チェックイン&施設確認

 

〇フロントにて夕食と朝食、入浴や客室関係の情報を確認

〇それらをお客様にアナウンス

(元より旅のしおりやホテルの注意事項としてお客様にお渡ししているものの確認。

とくに温泉施設の場合、入浴会場の切替え時間や清掃の時間帯など、念入りにアナウンスします)

〇ルームキーはホテルスタッフから直接手渡し

鍵を渡されたお客様に「お疲れ様でございました」と声をかけてエレベーターまでお見送りするまでが、一応の区切りです。

 

~お客様は各自でお部屋へ~

 

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館内施設のチェック

 

〇非常口、温泉やプール施設、ショップの確認

〇ホテル周辺を簡単に散策

〇近隣の病院やコンビニの位置をチェック

 

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近隣施設、とくに病院の確認は、ホテル着後の自由時間にお客様が交通事故に遭われてしまったことから習慣になりました。

 

お客様と離れている場所で起こったことなので現場や容体の詳細が分からないこと、そのため通常よりホテルスタッフとの連携が重要なことなどもあり、

事前知識としてある程度は頭に入れておいた方がいいと痛感しました。

 

18:00 とりあえずお部屋で一息

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一息つく(実際にお茶やコーヒーで一服する)。

 

これがすごく大切。

スーツのジャケットを脱いでカーディガンを羽織ったり、身軽なスウェットに履き替えたりして、とりあえず添乗モードから束の間の休憩モードに切り替え。

30分ほどぼーっとします。

時にはベッドにダイブしてそのままコールドスリープ状態…という時も余裕である(笑)

 

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同時にこの時間帯は、お部屋についての質問やクレームも出やすいタイミングなので、リラックスモード全開!というわけにはいきません。

ですが、待機しながらでも一息つけるというのは、忙しない添乗業務のなかでちょっとした安らぎとなる大切な時間でした。(ホテル特有の無音+空調の乾いた音に癒される 笑)

 

一息ついたら、夕食までの時間やその日の疲労度を考えて

 

〇その日の精算業務(絶対こまめにやっておいた方がいい)

添乗日報

〇翌日のバス席作り

 

のいずれかに手をつけます。

 

時間になったらスーツ、またはフォーマルファッションに着替えて夕食会場へ。

 

19:00 夕食 

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お客様へご案内した夕食時間の約15~20分前に夕食会場へ。

 

お座席の確認

〇事前にとったお飲み物のオーダー

〇ツアー料金以外で発生するお食事の追加注文の確認

 

などを終えて、お客様をお出迎えします。

 

なかにはしっかりしたサービスを出来ない状況のホテルもあり、オーダーを通したり、お酒の在庫を確認したり(実際に近隣のお店へダッシュで買いに行くことも)、お皿にお品物をよそったり…と

もはや「私はホテルスタッフか?」と思ってしまうぐらい会場を忙しなく歩くことも。

そういうホテルはあまり使用してほしくないのが本音ですが、それでも他にホテルの付加価値があったり、ツアー採算の都合上、ある程度致し方ないこともあるようです…。

 

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座敷席やテーブル席でのお食事は一グループずつご挨拶。

ここでは各お客様に一日の感謝、または気になっていたことについて、ほんの少しでもお声がけすることを心がけていました。

(例えば、ほかでトラブルが起きてしまいお客様との談笑を一時中断してしまったことへのちょっとした謝罪、「荷物を見ていてあげようか?」などのご協力の言葉を頂いたことについての繰り返しのお礼など)

「あの時は、本当にすみませんでした」

「あの時は、本当にありがとうございました」

と、再び言葉に出す小さな心の通わせが、明日以降の添乗をぐっとスムーズにしてくれることもあります^^

 

ビュッフェ形式のときはフリータイムなのでとくに席も回らず、添乗員もフリーでOK。

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添乗員は同行のドライバーさんやガイドさんと食事をとることが多いです。

ここで同じ業界人として仲を深めたり、翌日以降の打ち合わせをしたり(明日の〇〇の道が工事中らしい、迂回するけど午後にまた戻ってくればOKだよね?とか)、有意義でとても勉強になる時間でした。

 

添乗員をやめた今でも、夕食での会話を時々思い出します。

同じ「お客様のためにツアーを無事に遂行する」という目的をもった者どうしが過ごす、心の拠り所のような時間だったなぁ…と感じています。単純におしゃべりも楽しかったし^^

 

20:00 明日の予習・準備

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部屋でリラックスしながら明日の添乗日程を頭におさらい。

 

〇天気予報のチェック

〇ストーリー関連の観光地の場合、小説や映画の内容・あらすじをある程度暗記

〇調べても分からない詳細な疑問はメモをして、現地スタッフに聞けるようメモ

〇ホテルのフロントにある周辺施設のパンフレットを物色

〇添乗バッグ・キャリーバッグの整理

 

23:00 入浴

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温泉施設の場合、この時間はほとんどお客様がいないので少しリラックスできます。

逆に館内の従業員さんとは鉢合わせることが多く、その方と他愛もない話をしたり、互いの労をねぎらったり。

温泉という景観も相まって、とても思い出深く心に沁みる時間でした。

 

0:00  就寝

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タイマーはスヌーズで3回セット。

不安だったらホテルのモーニングコールでも何でも利用します。添乗員なのに恥ずかしいけど寝坊するよりは全然マシ!

あとは心配しても仕方ないので、泥のように眠ります。

 

翌 6:00  起床

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洗顔・化粧・髪セットなど身支度。

起床時間は逆算して最低でも自分の予定の(間に合うと分かっている時間の)30分~1時間前に。

お客様の前ということもあり、あまり気を抜けない見た目…。とくに髪のセットは気候や湿度の変化で予定外にかかることも。

スーツに着替え、すべての荷物をこのタイミングでまとめ、いつ出発できてもいいようにしておきます。

そして、こっそりエナジードリンクを一気飲み!

 

7:00  朝食

朝食のビュッフェ形式がほとんどなのでフリー。

胃腸も緊張して疲れているので、水分や発酵食品を気にして摂取し、炭水化物は控えめにしていました。

添乗をしていると体感ではけっこうすぐ昼食になってしまい、意識的に空腹時間を作っておくようにするのも大切かもしれません。

それに朝からしっかり食べてしまうと眠気で頭が回らないのですよ…(笑)

 

7:30 バスチェック

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バス車内の確認(空調・座席まわり)やバス席の貼り付け。

「おはようございます、今日はいい天気で観光日よりですね!」と笑顔で寝不足を全力で隠しながら、お客様をお出迎えします。

 

7:50 チェックアウト

〇ホテル精算

〇人数チェック

客室に忘れ物がないか、などのアナウンス

 

短い時間に物も人も動くので、添乗全体でもなかなかに神経を使う時間。

とくにお客様の忘れ物は戻ってこないことも多く、貴重品類、高級電子機器類などについては念入りにアナウンスします。

「お持ちのスマホアイパッド、カメラ類はございますか。お連れ様の充電器なども大丈夫でしょうか~^^」など、

具体的な物を例に出し今朝のパッキングを振り返ってもらいながら、忘れ物の有無に気づいて頂けるようにします。同時に心配させないように笑顔全開で!

 

8:00  出発

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ホテルスタッフにお別れをして、ツアー二日目の始まりです!

本日も安全で楽しい旅をお客様へご提供できますように^^

 

休憩と業務の狭間で

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添乗員という仕事の最も特徴的な部分は、直接の顧客であるお客様と一日の行動をともにするというところにあると思います。

そのため良い意味でも悪いでも、業務と休憩の線引きが曖昧になりがち。

 

宿泊先に着いたらお客様からのご相談やトラブルに対応することは当然としても、

明日への活力のために、なるべくお客様も添乗員もゆったりする時間は必要なのかな、と個人的には思います。

 

どれだけ心を尽くしても、時と場合によってはお客様のお休みの邪魔になってしまうこともあるし、かといってサービスを引き算しすぎてしまうと「気を配れない添乗員」とも思われかねない。

 

月並みな言葉ですが、やはりその時その時でお客様の立場に立って、自分の位置を測り続けるしかないのかもしれませんね。

 

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ここまでお読みいただきありがとうございました!

今後もインドア趣味を中心に、楽しいことや学べることについて書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂ければ嬉しいです。

 

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