今年も巡ってきた『読書の秋』。
本屋や図書館に入ると、素敵な本がたくさんで目が迷子になっちゃいますが、そんな中でパッと飛び込んでくる印象的な本もありますよね。
今回はこれまで私が出会ってきた、思わずジャケ買いしたくなる、または二度見してしまうような印象的な装丁の本を紹介していきたいと思います。
▶今回のブログのお供ダチは『Fragile』- DJ OKAWARI×Celeina Ann
本屋をブラウジングしているような曲を選んでみました。良かったらBGMのように流しながら読んでみてくださいませませ~。DJ OKAWARIさんの曲、読書にオススメです♡
【デザイン編】
『アライバル』の頃から奇怪かつ幻想的な作風で読者を魅了しているショーン・タン。
この表紙は彼の作品のなかでも文句なしに美しい部類で、金魚の鱗と海の水面が同じようにさざめいているのが印象的。
「ないもの、あります――――」というキャッチコピーで、本当に存在しなかった「あのモノ」たちを生み出してしまう本の展覧会。
吉田篤弘さん&クラフトエヴィング商会が好きな方には絶対オススメ。
一つ一つの星にタイトルが銘打ってるこの表紙もとても素敵です。
中村至男さんのシンプルで奥行きのある、“スキマ”を愛したデザインが好きだ。そこに“ピタゴラスイッチ”“団子三兄弟”の佐藤雅彦さんが絡んできたとなれば、くすっとしたお笑いも生まれる。
この本に収められてる広告たちも、すごく自由で、賑やかしく、実験アートなのだけどすごく親しみやすいものばかり。
普段何気なく見ている地下鉄マップをデザイン的な目線でまとめた一冊。よく見ていくと各国のお国柄も伝わってきて何となく勉強にもなります。
表紙の冗談みたいな路線図も、実際にワシントンDCで使用予定(実際は使われなかった)だったもの。まじかよ。
タイトルと共にもう絶対忘れられない表紙の一つ。歌人の穂村弘さんによるエッセイ集。
穂村さんだけでなく、歌を詠む人のエッセイは凄くおもしろい。普段は一瞬を強烈に切り抜く作品づくりをしている人の、日々の徒然をその感受性と共にじっくり読ませてもらえるのは贅沢だなぁ。
映画『ナチス第三の男』の原作(英語をしゃべるのは納得いかないが)。
“Himmlers Hirn heisst Heydrich”(ヒムラーの頭脳、ハイドリヒ)の頭文字をあしらった表紙が印象的で、様々な狂気(当時の歴史と作者の憑りつかれたように捜査する狂気)が伝わり、なぜか視線をはずせなくなります。
【イラスト編】
このブログでも何回か紹介しているけれど、この本は内容はもちろん、表紙もパーフェクト。加藤直之さん(『宇宙戦艦ヤマト』のメカデザイン担当)の、イラストが、美麗、すぎるの!!!
こちらの画像は荒くて色も潰れてしまっているけど、本家は淡く黄味がかかった柔らかな印象もあって、宇宙の冷たさと幻想的な雰囲気が共存していて、一枚の絵画のよう。ぜひ書棚に飾ってほしい一冊です。
乙一さんの『きみにしか聞こえない』、森絵都さんの『カラフル』、綿谷りささんの『蹴りたい背中』あたりから、YA(ヤングアダルト)本の存在が広く認知されていった印象があります。
思春期のもどかしい気持ちや一瞬の煌めき、そして芽生え始める大人になっていく仄暗さを大切にしたYA本は、大人になった今読んでも胸が締め付けられる作品が多いです。それらを表現した漫画テイストの表紙もすごく素敵。
時間SFの短編集。東京創元の本は表紙にもこだわりを感じるものが多いから、なんだかんだすぐに手をとってしまう。
これは自分史上最もジャケ買いが功を奏した大切な一冊。世に埋もれている良質なSFを、というテーマで収集された、読み応えしかない珠玉の作品たちが収められている。
なかでもT.L.シャーレッドの『努力』は本当に世界ごと変わってしまうほどおもしろかった。
日本を代表するファンタジー作家の上橋菜穂子さんの本は、さすがに表紙もじんわりと味わい深く凝ったものが多い。
とくに近年の人気シリーズ『鹿の王』は単行本・文庫本ともに印象深かったけど、このスピンオフ作品『水底の橋』は、透ける水の描写が美しく、主人公とヒロインのイメージと重なり、よりストーリーに感情移入できた。
ピクセルアートも大好き。
とくに「夏」を題材にしたピクセルアートはある種の懐古な感傷をくすぐり、いつまでも眺めてしまう。
紙の本ではあまりピクセルの表紙は見ないので、余計に記憶に残ったかな。
【フォトグラフ編】
ありのままの自然の美しさも、その美しさを受けたそのままを語られる俵万智さんの言葉も、どこをとっても自由で生命力を感じて非常に心地がいいです。
いわゆる“おしゃれなフラワー写真集”とは違う、“ちょっと最近心を着飾りすぎたかも?”と思ったときのデトックス本。
朝井リョウさんは毎回毎回タイトルのキャッチフレーズが凄い。
この『桐島、部活やめるってよ』も、だいぶトーンは抑えめだけど、“てよ”、で締める語末のテンポと素知らぬ顔で読者を誘う語りかけが実にお見事。そのパワーに負けずとも劣らない、学生の横顔を捉えた「まさに」な一瞬の表紙も語り継がれると思う。
1990年以降のJR青春18切符のポスターを収めたメモリアル集。どのポスターを見ても「あぁ、旅に出たいなぁ…」と旅情を掻き立てられます。
25年間ポスターの制作を担当している込山さんによって語られるエピソードは、鉄道ファンならずとも興味深いです。
【絵本編】
荒井良二さんの絵本はダイナミックだけど、色の選びはすごく繊細でどれも印象深い。どの絵本もまるで美術館にいるかのような気分を味わえて、どんなシーズンでもおすすめです。
タイトルも、こう…ぐっときませんか?
奥ゆかしい O・ヘンリーの物語に心温まるリスベート・ツヴェルガーの挿絵が印象的な絵本。
繊細ながらもギリギリ登場人物たちの表情が読みとれないのが、逆に想像を掻き立てられて、何度も何度も読みたくなる、大切な一冊です。
互いのために最も愚かな手段をとってしまった二人の夫婦は、最も賢い贈り物を互いに送り合ったという、いかにもキリスト教的なストーリーですが、例えこれを“愚者”という対比に例えなかったとしても、とても美しい物語だと思います。
こう言っては身も蓋もないけれど、いせひでこさんの絵はどんな本でもエモくする魔法がある。
淡い水彩画なのにも関わらず、読者に強烈なメッセージを送る架け橋を作るのが、本当に巧みなのだ。
このほかに『ルリユールおじさん』『チェロの木』などは絵本を代表する素晴らしい表紙なので、ぜひ一読あれ。
mokoさんの描く食べ物は本当にどれも美味しそう!初めて見たときは、イラストと分かっていても思わず二度見してしまった。
知育絵本だけど、色合いが綺麗なので部屋に飾っても気分があがります。
感情の展覧会のような絵本。
一瞬見ただけで惹きつけられるものがあって、この人の配色から伺える、爆発的な熱や冷めきったような質感が癖になりました。
たぶんYA世代と相性のいい絵本だと思う。感情がぐしゃぐしゃになったとき、そばに置いておきたい一冊。
【いろんな意味でインパクトがすごい編】
鈴木のりたけさん、ヨシタケシンスケさんは絵本界の二大シュールエンタメ作家だと思うのだけど、今回はのりたけさんの「お尻」で。
絶対に子どもが笑うだろうポイントをおさえているとともに、この表紙に描かれた「プリっと感」は大人も避けては通れまい。
関ケ原の勝敗を決した引き金であり、日本史史上最大の裏切り者とされる小早川秀秋。その彼が高々と「我が名は秀秋」と名乗る表紙に、ついつい手をとってしまった。
明智光秀とはまた違うプレッシャーを背負った、一人の武将としての秀秋の背中に何を思うかは人それぞれ。
余談だが、個人的に戦国一いい男だと思っている、養父小早川隆景がたくさん出ているのも嬉しかった。
ちゃんとした研究本(一応)。なのにタイトルが一人勝ちしていて、個人的にものすごく印象に残っている本。
あらゆる学問の知識で挑んでいくけれど、だんだんと混迷を極めていくのが何とも「大学の研究」感が強くて好き。
ずばり、このタイトルの“ステレオタイプ”な共感性だけで購入してしまった本。
だって、イタリア人ほんとに上手くいきそうなんだもん!!!!あとギリシャあたりもな!!!!(爆)
地中海への憧れがそう思わせるのか分からないけど、内容もタイトルと違わず、とてもおもしろかったのでオススメ。
出版してから私の絵本界のアイドル「ほげちゃん」。
名前がインパクトあるし何の生き物なのかイマイチよくわからないけれど、新作のたびに、ほげちゃんは私を癒し、笑わせてくれる。
ほげちゃん…
ほげ…
ほげ~~~
ほげーた……
ただ「hoge」の語感に弱いだけかこれ。
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ショーン・タンにはじまり、ほげちゃんで終わった【印象的な本】でした。
この他にも素敵な装丁の本は本当に無限にあるので、ぜひ本屋さんや図書館に行った際には表紙にも注目してみてくださいね。
この秋も、心に残る一冊と出会えますように~~~!!
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後もインドア趣味を中心に、楽しいことや学べることについて書いていきたいと思いますので、お時間があるときにおつきあい頂ければ嬉しいです♡
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